Design for a lifetime

大東アリン

大学へ海外青年協力隊として焼き物の技術指導に訪れていた主人と出会いこの砥部焼の町に来ました。
主人の仕事である窯元の仕事を手伝うようになった時、生まれて初めて使う筆に慣れず、それまで主人が家業としていた砥部焼の伝統的な模様を全く描くことができずに戸惑ったことを覚えています。
フィリピンを離れて30年が経ち、第二の故郷であるこの砥部は今や私の本当の故郷となり、悩みながら取り組んできた陶芸も私流の手法で少しずつ、自分の思う形を表現できるようになって来たと思います。

そして30年続けて今思うことは、自分の表現したいことを砥部焼の器に捉われずもっと自分に正直にまっすぐ表現することです。それは器の色使いをアパレルやパッケージ、ウォールペーパー、絵画のデザインに広げることにつながりました。そういった仕事を頂くようになり、また沢山やりたいことが増えてきました。

この手から生まれた器やデザインが、見る人使う人を豊かで華やかな気持ちにするように、そして日常生活の中の美しさをゆっくり味わえるようなライフスタイルを提案できればと思っています。

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